大島地区轟第二ため池整備工事で県知事表彰を受賞しました。
令和5年3月に竣工した大島地区轟第二ため池整備工事が長崎県優秀工事知事表彰式で県知事表彰を受賞しました。今回受賞した工事の内容をご紹介します。
目次
大島地区轟第二ため池整備工事について
表彰式の様子
新聞掲載について
過去の地域貢献活動について
大島地区轟第二ため池整備工事について
①工事概要
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今回の施工箇所について
今回施工した轟第ニため池は、古くから農業用水源として利用されています。しかし、近年では、集中豪雨が頻発する傾向にありました。万が一、決壊した場合には、その被害は農地や農道などの農業用施設にとどまらず、公共施設や人家等、更には人命にも及ぶ甚大な被害を及ぼす一面があります。
この工事では、老朽化による漏水等が原因で発生する災害を未然に防止し、下流域の人命・人家・水田等の安全を確保する。さらに、安定した農業用水を確保し、農業経営の安定を目的としたため池整備工事でした。
②工事の課題・解決策
この工事は、次の5点が【課題】でした。
1.離島である平戸市北部の大島村中央部の施工である
2.天候に影響を受ける土工事が主体である
3.ため池施工箇所周辺に大島村に重要なライフラインの導水管が埋設してある
4.当ため池の落水後、隣接する轟第一ため池の堤体法尻部のブロック積に変状が確認された
5.地元要望の休耕しないでの施工等、厳しい条件がありました。
それらを踏まえ、令和4年度末までに完了するための課題と解決策としては、次のことを実施しました。
【解決策】
1.島内における、刃金土(遮水のための盛土材)土量の十分な確保。
遮水のための盛土材の土量が島内では、不確定であったので遮水シートを取り入れました。
そのため、不足している土量を補う工法に変更して問題解決ができました。
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遮水シートの施工状況
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遮水シートの施工完了
2.当初発注時点において、底樋管(ため池本体の下に通してある管)は、現場で作成するものであった為、作成時の労務者(鉄筋工、型枠工等)の確保が問題。
この件では、既製品を利用することが可能になり、プレキャスト底樋管・プレキャスト止水壁に設計も変更されました。そのおかげもあり、約3週間の工程短縮・労務者の確保問題解決となりました。
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プレキャスト底樋 施工中
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プレキャスト底樋 施工完了
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プレキャスト止水壁 施工完了
3.工事用道路に埋設された既設導水管の破損防止のための保護対策。
(土量が約4000㎥にもなり、土量が多いため、4tダンプトラック運搬等での損傷の恐れがありました。)
施工に先立ち、平戸市水道局・大島支所より導水管埋設時(当時)の資料を借用し、平戸市水道局立ち合いのもと、導水管の位置を把握できました。
また、県や平戸市水道局と当社で協議を重ね、砕石舗装されていた道路を、コンクリート舗装に変更して導水管の保護及び、破損による工程・島民への影響を未然に防止しました。
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平戸市水道局立ち合いの元、水道管確認作業中
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コンクリート舗装の様子
4.今回工事を行う轟第ニため池の上部に隣接する、轟第一ため池の安全対策。
轟第一ため池側のブロック積みの崩れなどがあり、付近の地盤改良工事を行い、押え盛土を分割しながら施工しました。おかげで、ブロック済みの崩れにも影響なく施工できました。
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ブロック積の膨れ具合
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地盤改良中
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押え盛り土工事中
5.地元要望であった本工事期間中の休作回避への対策。
ため池関係者に調整して頂き、第一ため池から仮排水管を設置しました。この施工のためにも、第一ため池の貯水量を減らして頂きましたが、先に4.の対策法で押え盛土工法を進めていたため、令和4年1月から貯水が可能となりました。その結果、ため池利用者の方の約9割の受益者が耕作することができました。
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施工完了後貯水状況
表彰式の様子
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セントヒル長崎で行われた表彰式の写真
今回の工事は、令和5年度からの営農開始に支障がでないように、工期短縮のための対策を積極的に実施し予定通り完成させることが評価のひとつとなりました。また、受注業者独自の取組により休作予定であった工事期間中においても耕作できるように対応し、地域に大きく貢献したことが認められる工事であったことが表彰受賞へと繋がりました。これも、地域住民の方々、ため池関係者の皆様、発注者をはじめ、工事に携わって下さった方々のご教授、お力添えを頂いた結果だと思っております。この場をお借りして感謝申し上げます。
新聞に掲載して頂きました
今回の施工現場の詳細を、長崎建設新聞に掲載して頂きましたのでご紹介いたします。
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長崎建設新聞 令和5年8月29日発刊分
過去の地域貢献活動について
最後に、本工事で表彰受賞において表彰対象となりました過去の地域貢献活動についてこちらをご覧ください。
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工事現場付近で林野火災を発見!大島村的山川内での初期消火に貢献し平戸消防本部より感謝状を受賞しました
昨年12月10日に大島村的山川内にて大島地区轟第二ため池整備工事の工事中、付近で起きた林野火災で初期消火活動を行い、平戸消防本部より感謝状を受賞しました。消火活動の内容と感謝状受賞時の様子をお伝えします。